バフェット太郎です。

著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイの副会長、チャーリー・マンガーが「株式市場にバブルの兆候が見られる」と警鐘を鳴らしました。

マンガーはロビンフッダーによるゲームストップ(GME)の株価急騰を例に挙げ、「株式投資のギャンブルを助長するような風潮はまったくもって愚かしい」とし、「非常に危険な投資行動だ」と指摘しました。

また、現在の相場の運命については、2000年のドットコムバブル崩壊と同じ運命にあるとし、「酷い終わり方になるだろうが、それがいつやって来るかはわからない」と話しました。

【長短金利差の推移】
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このチャートは1982年から現在までの、米10年債利回りを米3カ月物債利回りで差し引いた、長短金利差の推移を表したものです。ちなみに、グレーの網掛け部分はリセッション(景気後退)局面を表しています。

さて、過去を振り返ると、長短金利差がマイナスからプラスに転じた直後にリセッションが訪れていることがわかると思います。今回のコロナショックも同様に長短金利差がプラスに転じた直後にリセッション入りしています。

これは、コロナ危機をきっかけにFRBがゼロ金利政策に踏み切ったためです。つまり、短期金利が低下したことで、長期金利との差が拡大したわけです。

ところで、株式市場を振り返ると、必ずしもリセッション局面の直前に株式市場が暴落するというわけではりません。たとえば、2008年の金融危機を振り返ると、2007年12月にリセッション入りした後、その10カ月後に金融危機が起こりました。

【長短金利差:2007ー2010】
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【ダウ平均:2007ー2010】
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つまり、リセッション後の長短金利差が拡大している局面で株式市場が大暴落したのです。

その前のドットコムバブルの崩壊も、2001年3月にリセッション入りし、その後2002年にかけて長短金利差が拡大し、そして2002年7月に株式市場が暴落しました。

【長短金利差:2000ー2003】
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【ダウ平均:2000ー2003】
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つまり、リセッション局面は長短金利差がマイナスからプラスに転じた直後に訪れる可能性が高いですが、株式市場の暴落は長短金利差が3%を超えると起こりやすいです。

【長短金利差:2017ー2021】
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【ダウ平均:2017ー2021】
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ちなみに、現在の長短金利差は1.35%で推移していますから、3%には遠く及びません。つまり、バブル相場はまだまだ続く公算が大きいです。

ただし、足元の長期金利の急騰によって、ハイテク株を多く含むナスダック指数は動揺しています。これは、金利と株式のバリュエーションがシーソーのような逆相関の関係にあるため、長期金利が急騰する局面では、高PER株の多いハイテク株が売られやすいためです。

そのため、短期的に見れば株式市場は調整局面を迎えるかもしれませんが、長短金利差が未だ3%にほど遠いことを考えれば、バブル相場はまだまだ続くと考えらえます。

グッドラック。

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