バフェット太郎です。

著名投資家ウォーレン・バフェットが毎年恒例の「株主の手紙」を公開しました。

バフェットはこの「株主の手紙」の中で、「私たちの揺るぎない結論は、決して米国の敗北に賭けてはならないことだ」とし、米国株の見通しについて改めて自信を示しました。

また、バフェットは傘下の損害保険大手ガイコと鉄道大手のバーリントン・ノーザン・サンタフェ、電力大手のバークシャー・ハザウェイ・エナジー、そして、発行済み株式数の5.4%を保有するアップルの合計4社を「BIG4」と呼び、「バークシャーの価値のひとつだ」と紹介しました。

とりわけ、バークシャーの中核事業のなるのが損害保険大手のガイコで、バークシャーにとって富の源泉とも言えます。

なぜなら、損害保険事業は保険料を前払いで受け取り、保険金は後払いで支払うため、一時的な空白が生まれるからです。たとえば極端な例を挙げると、アスベスト問題や深刻な労災によって保険金の支払いが生じても、実際の支払いは数年後になります。

このように、保険料が一時的に宙に浮いた状態になり、バフェットはこれを「フロート」と呼んでいます。

バフェットはこの「フロート」を利用することで、あたかも無利息で資金調達をしたかのように、保険料で株を購入することができるのです。また、ガイコを所有しているということは、ガイコが生み出すキャッシュフローも享受することができます。

そのため、バークシャーにとってガイコは中核事業となるのです。

また、「株主の手紙」の中でバークシャーが保有する上場株の保有額上位15銘柄が公開されました。この中には日本株としてはじめて伊藤忠商事がランクインしました。

【保有額上位15銘柄】
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伊藤忠商事は上位14位で、保有額は23億3600万ドルとなっており、すでに5億ドルの含み益があるそうです。

アップル(AAPL)にはこれまで310億ドル投資していますが、現在その価値は1200億ドルにも上りますから、およそ4倍のリターンを得たことになります。

ちなみに、バークシャーはアップル株を少しずつ売却しているのですが、持ち株比率は5.2%から5.4%に増加しています。

これは、アップルが自社株買いに積極的であるためで、発行済み株式数は2016年9月末時点の220億株から、2020年9月末時点で175億株と20%減少しています。

また、バークシャーはかねてから莫大な手元資金の使い道が注目されてきましたが、バフェットは「株主の手紙」の中で自社株買いの正当性を強調しました。

米国株式市場は長期にわたる強気相場とFRBによる金融緩和によって割高で推移していたことから、バリュー株投資家のバフェットは投資先を見つけることができないなど運用難に陥っていました。

そこでバフェットは昨年250億ドルそうとうの自社株買いを実施し、これに対して「株主の本質的価値を高めつつも、あらゆる機会に備えて十分な資金は残されている」と説明し、正当性を強調しました。

しかし、その一方で他のCEOによる自社株買いには批判的で「米国のCEOは、株価が暴落した時よりも上昇した時の方が、自社株買いに多くの資金をつぎ込むという恥ずかしい過去がある」と記しました。

他人の自社株買いを批判する一方で、自身の自社株買いを正当化するのは、バークシャーがコングロマリット(複合企業)だからです。

コングロマリットは複数の産業で成り立っており、バークシャーの場合は保険や鉄道、電力など様々な事業を所有しています。コングロマリットのメリットは、経営の多角化によってリスク分散できる一方で、価値評価がしにくいというデメリットがあります。

そのため、コングロマリットの株式は割安で放置されやすい傾向があり、これを「コングロマリット・ディスカウント」といったりします。

しかし、これは積極的に自社株買いをしたいと考える企業にとっては好都合です。なぜなら、自社株買いができることの大前提として、好調な業績が挙げられます。しかし、好調な業績は高いバリュエーションを意味するので、割高な自社株を買わざるを得なくなります。

その結果、バフェットが指摘するように「米国のCEOは、株価が暴落した時よりも上昇した時の方が、自社株買いに多くの資金をつぎ込むという恥ずかしい過去がある」なんてことが起こるのです。

一方で、バークシャーはコングロマリットであり続ける限り、株価は割安で放置されやすいので効率よく自社株買いを実施することができます。

こうしたことから、バークシャーの株主はバイアンドホールドするだけで、ゆっくりと着実にお金持ちになることができるかもしれません。

グッドラック。

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