バフェット太郎です。

金の下落が止まりません。

【金先物価格:週足】
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金先物価格は昨年の8月以降弱気のトレンドチャネルを形成しており、足元のサポートラインは1650ドル水準になります。そのため、一段の下落を覚悟する必要があるんですが、長期的に見れば心配する必要はないと思います。

そもそも、なぜ金の弱気相場が続いているのか?と言えば、実質金利が上昇しているからです。ちなみに実質金利とは「名目金利」-「期待インフレ率」で求めた値になります。

【実質金利と金価格の推移】
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実質金利金価格の推移)

たとえば、2003年以降の実質金利と金価格の推移を眺めると、概ね逆相関の関係になることがわかると思います。

これは、金をどれだけ長く保有したとしても利息がつかないため、実質金利の上昇局面では相対的に金の魅力が低下する一方で、実質金利の下落局面では相対的に金の魅力が上昇するからです。

実際、2018年8月以降実質金利が下落局面を迎えると金は大きく上昇しましたが、2020年8月に実質金利が-1.1%で底打ちすると金は調整局面を迎えました。

そして、経済活動の再開が本格化すれば実質金利が上昇する可能性が強まるので、金は一段と売られるのでは?と心配している人も少なくないです。

しかし、実質金利と金は常に逆相関の関係にあるわけではないのです。

【実質金利と金価格の推移】
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たとえば、2005年から2007年の終盤にかけて、そして2017年から2018年にかけて、実質金利と金は同時に上昇するなど相関関係が見られました。

また、2011年の終盤から2012年の中盤にかけて、そして2014年から2015年にかけて、実質金利と金は同時に下落するなど相関関係が見られました。

実質金利と金が同時に上昇した局面の共通点は、いずれも世界同時株高だったということです。そして、実質金利と金が同時に下落した局面の共通点は、いずれも世界同時株安だったということです。

そのため、ワクチンの普及で感染危機が収束し、世界の株式市場がこれから大きく上昇すれば、実質金利と金は同時に上昇すると考えられるのです。

グッドラック。

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