バフェット太郎です。

米議会はバイデン政権が提案した1兆9000億ドル(約200兆円)の追加の景気対策を可決しました。

追加景気対策の柱となるのは1人最大1400ドル(約15万円)の現金給付で、過去最大の支給額となるほか、これによって4ー6月期の米実質GDPは前期比年率換算で11%、7ー9月期も8.5%、通年で6.9%成長することが見込まれています。

仮に、通年で6%台半ばの成長率が実現すれば、米実質GDPは19兆8000億ドル程度まで増えることになるわけですが、これは、コロナ危機直前とほぼ同水準になります。

こうした中で、イエレン財務長官は追加の「景気対策によって、2022年末までに最大雇用を実現できる」としており、仮にそれが実現すれば、FRBによる金融緩和が早まる可能性が高くなります。

その一方でFRBのパウエル議長は「雇用と物価の目標達成は遠い」とし、テーパリング(量的緩和縮小)については慎重な姿勢を示しています。

とはいえ、景気の早期回復はFRBの緩和路線に修正を迫ることになるほか、テーパータントラムを引き起こす可能性があります。テーパータントラムとは、テーパリングによってマーケットが癇癪を起す状態のことを意味します。

つまり、景気回復局面から景気拡大局面への移行期間に、株式市場が大きく調整局面を迎える可能性があるのです。

ただし、景気拡大局面に移行するということは、金融相場から業績相場へと変わり、株高が一段と加速することが期待できます。そのため、一時的な調整局面で狼狽売りに走ったり、現金比率を過度に高める必要はなく、リスク許容度の範囲内で積極的に資金を株式に振り向けておいた方がいいと思います。

【ダウ輸送株指数:TRAN】
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実際、業績相場への移行に備え、ダウ輸送株指数はゴールデンクロスを形成したほか、史上最高値を連日更新しています。

ダウ輸送株指数とは、航空・鉄道・トラックなど輸送株20銘柄で構成された指数のことで、生産と消費の動向を示すことから景気の先行指標として知られています。

【銅先物価格:週足】
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また、銅先物価格も大きく上昇しています。銅は電気伝導性が高いことから、自動車やパソコン、携帯電話、住宅、産業用機械などあらゆる生産に欠かせない素材ですから、銅価格が上昇しているということは、こうした需要が旺盛であることを示唆しています。

そのため、銅もまた景気の先行指標として知られていて「ドクター・カッパー」の異名を持っています。

コロナ危機によって、世界先進各国は金融緩和と巨額の財政出動によって、持続的な経済成長を目指していますから、今後、景気は一段と回復することが期待できるほか、株高も加速する公算が大きいです。

そしてそれはすなわち、株や不動産、金、BTCなどの資産を持つ者と持たざる者との間に一層の格差が生まれることを意味します。

グッドラック。

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