バフェット太郎です。

ウォールストリート・ジャーナルによると、中国政府が電子商取引大手アリババ・グループ(BABA)に対して、中国版ツイッターの「微博(ウェイボ)」など、所有するメディア資産の売却を要請したとのこと。

アリババはウェイボのほかに、香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストや米バズフィードのようなオンラインメディア、さらにテレビ制作会社、広告と複数のメディアを所有しているわけですが、これに脅威を感じた中国共産党が規制に乗り出したというわけです。

これに対してアリババは「メディア資産について、我々は受動的な投資家である」とし「(投資先企業の)日常業務や編集上の決定に介入したり、関与したりすることはない」と述べるにとどめ、資産売却の可能性についてはコメントを控えました。

【アリババ(BABA):週足】
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アリババの株価は現在230ドルと、2020年の高値319ドルから27.9%安と低迷しています。今後、当局の規制強化を受けてメディア資産を売却することになれば、成長分野のひとつを失うことになりますから、株価が低迷する可能性があります。

また、中国のゲーム・インターネット大手のテンセントも規制強化の圧力を受けています。

中国政府はデジタル決済企業に対する規制を強めていて、昨年11月にはアリババ傘下のアント・グループのIPO(新規株式公開)を直前で中止に追い込みましたが、次の標的となる可能性が大きいと言われているのがテンセントなのです。

テンセントはデジタル決済の分野で「WeChat Pay」を展開していて、シェアは38%にも上るわけですが、中国人民銀行はデジタル決済企業を対象とする規制草案を公表するなどして、金融規制を強める姿勢を示しています。

テンセントは収益の大半をゲーム事業が稼いでいるので、これ自体の影響は軽微ですが、将来、ゲーム事業やM&A(企業買収・合併)に対する規制が強化されれば、テンセントが成長分野を伸ばすことができなくなるかもしれません。

【テンセント:週足】
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こうした規制強化に対する懸念から、テンセントの株価は直近の高値から17.4%安と下落しています。

バフェット太郎は2021年以降、新興国株の時代がやって来ると考えていますが、規制強化による不確実性は株価の重荷になる公算が大きいですから、新興国株の本格的な強気相場にはなお時間がかかりそうです。

グッドラック。

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