バフェット太郎です。

ISM(米供給管理協会)が発表したISM非製造業景況指数は予想59.0に対して、結果63.7と予想を大幅に上回りました。

そもそもISM非製造業景況指数とは、サービス業の購買担当者から見た景況感を表した指数のことで、米民間経済のおよそ7割をサービス業が占めていることから、指数の注目度は高いです。

【ISM非製造業景況指数:1997ー2021】
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ISM非製造業景況指数が63.7に達するのは、統計が開始された1997年以降で最高です。

指数の見方は「50」を上回っていたら景気拡大を示唆している一方で、「50」を下回ったら景気縮小を示唆しています。

また、投資家が注意しなければならないポイントは、指数のトレンド(方向性)ではなく「位置」に注目するということです。

たとえば、2004年から2008年にかけて指数の上値は切り下がりましたが、この間株価は大きく上昇しました。そのため、上値が切り下がっていたとしても50を上回っていれば、それは景気が拡大局面にあることを意味するので、ポジションを落としたりする必要はありません。

【ISM非製造業景況指数:内訳】
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内訳は以下の通りでした。

「事業活動」は69.4と、前月の55.5から13.9ポイント上昇しました。

「新規受注」は67.2と、前月の51.9から+15.3ポイント上昇しました。

「雇用」は57.2と、前月の52.7から+4.5ポイント上昇しました。

「在庫」は54.0と、前月の58.9から4.9ポイント低下しました。

「価格」は74.0と、前月の71.8から2.2ポイント上昇しました。

主要項目である「事業活動」と「新規受注」、そして「雇用」が大きく上昇したことから、米国の経済活動が本格的に再開しつつあることが示唆されました。また、「在庫」が減り、「価格」が上昇ていることも良い兆候です。

ただし、景気が急速に回復すれば、FRB(米連邦準備制度理事会)によるテーパリング(量的緩和縮小)が早まる可能性があります。

FRBはかねてから月800億ドルの米国債と月400億ドルのMBS(住宅ローン担保証券)を買い入れることで、大量の資金を民間経済に供給してきました。そしてそれが株式市場を押し上げてきた要因のひとつでもありました。

しかし、テーパリングが開始されれば、株式市場を押し上げる材料がひとつ消えることを意味しますから、株式市場は調整局面を迎える可能性が高まります。

ちなみに、テーパリングの時期については来年以降になると思いますが、9月に予定されているFOMC(連邦公開市場委員会)で、テーパリングの時期について説明があるかもしれません。これは、パウエル議長がテーパリングの時期について、かなり前もってアナウンスすると説明しているからです。

そのため、足元の急激な景気回復はテーパリングの時期を早める可能性があります。

ただし、FRBがテーパリングに踏み切るということは、米景気がコロナ危機から抜け出していることを裏付けるものですから、株式市場は「金融相場」から「業績相場」に移行し、株高が一段と加速する公算が大きいです。

(※テーパリングによる調整局面は、あくまで「金融相場」から「業績相場」に移行するタイミングで起こる、短期的な下落で、下落幅は10~20%程度になると思います。)

グッドラック。

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