バフェット太郎です。

IMF(国際通貨基金)が最新の世界経済見通しを発表しました。

このレポートでIMFは2021年の世界成長率の予測を6%と、従来予測の5.5%から上方修正しました。IMFが上方修正するのは過去3ヶ月で2回目で、世界経済が急速に回復していることを示唆しています。

【成長率予測】
3
地域別では先進国が+5.1%と、従来予測の+4.3%から0.8%ポイント上方修正されたほか、発展途上国は+6.7%と、従来予測の+6.3%から0.4%ポイント上方修正されました。

【地域別成長率予測】
2
国別では米国が+6.4%と、従来予測の+5.1%から1.3%ポイントも上方修正された一方で、ユーロ圏は+4.4%と従来予測の+4.2%から0.2%ポイントの上方修正、日本も+3.3%と従来予測の+3.1%から0.2%ポイントの上方修正に留まるなど、先進国の中でも米国だけが急速に回復していることがわかります。

米国だけが急回復している背景にはバイデン政権による1兆9000億ドル規模の追加の景気対策に加えて、コロナワクチンの普及が進んでいることが挙げられます。

ブルームバーグの調べによると、米国のワクチン接種率は26.5%と、EU全体の9.5%を大きく上回っています。

こうしたことから、米国経済はコロナ危機からいち早く抜け出すことが予想されていますが、米国を除く多くの先進国では、経済がパンデミック前の水準に戻るのは、2022年以降が予想されていて、発展途上国に至っては2023年までかかると予想されているため、米国とそれ以外の国との間で格差が拡大することが予想されます。

とりわけ、国境を跨いだ海外旅行が敬遠されやすいことを考えると、観光業に依存しているトルコなどの発展途上国ほど回復が遅れますから、一部の新興国はデフォルトのリスクが高まります。

実際、トルコはトルコリラ安に歯止めをかけるために2月に11.7トンもの金を売却するなど、資産の取り崩しを始めています。ただし、トルコは依然として532トンもの金を保有していますから、すぐにデフォルトに陥るというわけではありません。

いずれにせよ、コロナ危機からいち早く抜け出そうとしている米国経済と、いつまで経ってもコロナ危機に直面している発展途上国との間で、格差がますます拡大しようとしていることから、米国株の一強状態もしばらく続く公算が大きいです。

グッドラック。

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