バフェット太郎です。

米石油パイプライン最大手のコロニアル・パイプラインがサイバー攻撃を受けて業務を停止しました。

今回のサイバー攻撃はシステムの復元と引き換えに金銭を要求する「ランサムウエア」によるもので、ロシアや中国、イラン、北朝鮮のいずれかの国家が関わっていると見られています。

そもそもコロニアル・パイプラインはメキシコ湾岸から米北東部までの大動脈で、ガソリンやディーゼル燃料、ジェット燃料が運ばれていて、米東海岸の燃料消費需要のおよそ45%を担っています。そのため、人々の生活や経済活動に影響を及ぼす可能性があります。

ただし、業務が停止したからと言って、ただちに原油が枯渇するというわけではありません。なぜなら、すでに貯蔵タンクには大量の原油が備蓄されており、すぐにガソリンや航空機燃料の供給が止まるということはないからです。

とはいえ、これは「パイプラインが2~3日で復旧すれば」の話であり、仮に普及するまでに時間を要するのなら、原油は供給不足によって価格が急騰するかもしれません。

サイバー攻撃を巡っては、米国で2020年から21年にかけて、ソフトウエアのソーラーウインズやマイクロソフトのメールシステムが大規模なサイバー攻撃を受けており、顧客データなどの流出と引き換えに身代金を要求されるケースが少なくありません。

ちなみに、ソーラーウインズはロシアが、マイクロソフトは中国が関与していると指摘されていて、今回も両国かイラン、北朝鮮が関わっていると見られていますが、実行犯を特定するには数カ月の時間を要することが予想されています。

【原油先物価格】
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さて、原油先物価格の日足チャートを眺めると、3月の高値68ドル水準にレジスタンス(上値抵抗線)がある一方で、50日移動平均線をサポートラインに下値を徐々に切り上げていますから、68ドル水準を上にブレイクアウトすれば一段と上昇することが期待できます。

とりわけ、原油高の背景には今回のサイバー攻撃による供給懸念の高まりだけではなく、経済の正常化に伴うガソリン需要の高まりも要因として挙げられます。

さらに、ドル安が中長期的に加速する公算が大きいことも、ドル建ての原油価格を押し上げる要因になります。

【ドル指数:日足】
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そもそも、ドルには15年周期があり、5~6年の上昇と10年の下落を交互に繰り返す傾向があります。

たとえば、ドル指数は1980年から85年にかけて5年間上昇した一方で、95年にかけて10年間下落しました。

また、2001年にかけて6年間上昇した一方で、2011年にかけて10年間下落し、さらに、2017年にかけて6年間上昇しました。

そのため、2017年を起点にすれば、2026年~2027年頃にかけてドルは下落すると予想することができますから、原油価格にとって追い風になるほか、エネルギー株の本格的な復活が期待できます。

グッドラック。

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