バフェット太郎です。

ISM(米供給管理協会)が発表した5月のISM製造業景況指数は、予想60.9に対して、結果61.2と予想を上回りました。また、前月の60.7から0.5ポイント上昇しました。

そもそも、ISM製造業景況指数というのは製造業の購買担当役員にアンケート調査を実施して、その結果をもとに製造業の景況感を表したものになります。

たとえば、ゼネラル・モーターズの購買担当役員は、鋼や塗料、フロントガラス、タイヤなどの仕入れをするわけですが、この時、日々の販売状況や在庫状況、会社の販売予測などに基づいてどれくらい仕入れるかを決めるので、彼らの意見は業界の現状を知るうえで、非常に信頼度の高い情報と言えるのです。

【米ISM製造業景況指数:内訳】
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具体的な内訳を見ていくと、「新規受注」が67.0と、前月の64.3から2.7ポイント上昇しました。また、「生産」は58.5と、前月の62.5から4.0ポイント低下し、「雇用」は50.9と、前月の55.1から4.2ポイント低下しました。

さらに、「価格」は88と、前月の89.6から1.6ポイント低下し、「在庫」は54と、前月の52.2から1.8ポイント上昇しました。加えて「入荷遅延」は78.8と、前月の75から3.8ポイント上昇しました。

「新規受注」が上昇しているということは、需要が拡大していることを意味するのですが、その一方で、生産や雇用が低下したということは、人手や部材が不足していることを示唆しています。

また、価格は供給不足による影響で高水準を維持していて、在庫や入荷遅延が上昇しているということは、サプライチェーンのボトルネックがあることを示唆しています。

つまり、部材の調達、製造、在庫管理、物流、販売までの工程のどこかで”詰まり”を起こしていて、その結果、消費者のもとに商品が届かないということが起こっているのです。

ただし、指数全体を見れば61.2と、景気拡大と縮小の分かれ目となる50を上回っていますから、米経済は概ね好調だと判断することができます。

【米ISM製造業景況指数:1999-2021】
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ISM製造業景況指数を見る時のポイントは「トレンド」ではなくて、「位置」に注目することです。

たとえば、景況指数が50を上回っていれば景気拡大を意味する一方で、50を下回っていれば景気縮小を意味しますから、仮に指数の上値が切り下がって下降トレンドになっていたとしても、50を上回っていれば、それは景気が強いことを意味するのです。

そして、現在の景況指数は歴史的な高水準にありますし、すでにリセッション局面が終わっている可能性が高いことを考えると、投資家は米経済の先行き見通しに対して悲観する必要は一切ありません。

グッドラック。

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