
バフェット太郎です。
アーク・インベストメント・マネジメント率いる著名投資家キャシー・ウッド氏が中国株について「おそらく急速な回復は見込まれず、一段の下落の可能性もある」と悲観的な見方を示しました。
また、その一方で「そうであっても、イノベーションの領域で非常に興味深い企業がいくつか見つかると確信している。常にオープンな姿勢でいるつもり」と、中国株を注視していくことを示唆しました。
ちなみに、ウッド氏の旗艦ファンド「アーク・イノベーションETF」が占める中国株の割合は、9日時点で0.2%未満と、2月時点の8%から大幅に減少しています。
さて、中国政府は今、教育やゲーム、電子タバコ、不動産、粉ミルクに至るまで、幅広いセクターに対して規制を強化していて、それ故、教育関連株やゲーム関連株などが軒並み大暴落しました。
そして、投資家の間で「次はどの産業がターゲットになるんだ」といった不安が広がり、中国株全般が売りの対象となったことで、7月の一カ月だけで1兆ドル(約110兆円)の時価総額が吹き飛びました。
中国政府による民間セクターへの規制強化は、まるで自分で自分の首を絞めるような自滅行為のようにも見えますが、これには理由があります。
たとえば、中国政府は長年の一人っ子政策により少子高齢化が急速に進んだほか、女性の社会進出と不動産価格、さらに教育費の高騰によって、二人以上の子どもを望まない夫婦も増えてきました。
そのため、中国政府は少子高齢化を避けるために、教育費や住宅費、医療費を抑制しようとしているわけです。家計の負担を軽減すれば、より多くの子どもを望む夫婦が増えると考えられるからです。
また、2022年には5年に一度の共産党大会が控えているほか、今年68歳になった習近平政権は権力基盤の恒久化を狙っています。
これまで中国は、国家主席の任期を2期10年としていたほか、党大会時点で68歳以上なら引退という暗黙のルールがあります。
しかし、2018年の憲法改正により任期制限を撤廃していますから、「68歳定年」という暗黙のルールを破ることで、習近平は3期目を迎えることができます。
そして、それまで自身の支持を強固にするためにも、家計負担の軽減や大企業に対する規制強化によって、格差拡大の是正に取り組む必要があるのです。
そのため、中国株に対する逆風は2022年秋の党大会まで吹き続けることが予想されます。
しかし、長期的に見ればそうした停滞局面こそが中国株に投資する絶好のチャンスになると思います。
グッドラック。
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