バフェット太郎です。

ウォール街には「5月に株を売って、バカンスに行け」という相場の格言があります。これは過去の経験則で、5月に株が売られるパターンが多いからですが、実際5月から9月までの株価上昇率と10月から4月までの株価上昇率では、後者の方がリターンが高いです。ただし、5月から9月までの騰落率は平均するとプラスなので、現金で持っておくよりも、株式をそのまま保有しておいた方が良いということがわかります。ただし、短期的な売買をする投資家にとっては、「Sell in May(セルインメイ)5月に株を売れ」という相場の格言はあながち無視できません。

さて、4日のNYダウ株式市場は、前日比-99.65ドル(-0.56%)安の1万7651.26ドルと下落して取引を終えました。下落した主な要因は、ADP全米雇用報告で発表された民間部門雇用者数が予想を下回ったためです。その後発表されたISM非製造業総合指数の数字は良かったものの、株価が上昇するまでには至りませんでした。

ADP4月全米雇用報告
民間部門雇用者数は予想19万6000人に対して、結果15万6000人増と予想を下回る悪い数字でした。これは2013年4月以来の小幅な伸びでした。また、3月分は当初の20万人増から19万4000人増に下方修正されました。

4月は中小企業の雇用者数が好調だった一方で、大企業の雇用者数は不調でした。
従業員50人以下の企業の中小企業の雇用者数は9万3000人増でした。
従業員50人以上499人以下の中小企業の雇用者数は3万9000人増でした。
従業員500人以上の大企業の雇用者数は2万4000人増でした。

業界別では以下のようになりました。
SPONSORED LINK
製造業は1万3000人減でした。ドル高の影響を受けて製造業は不調でした。
専門サービス業は2万7000人増でした。これは昨年10月以来の小幅な伸びでした。
金融サービス業は4000人増でした。これは2014年以来の小幅な伸びでした。

ISM4月非製造業総合指数
NMI(非製造業総合指数)は予想54.7に対して、結果55.7と予想を上回りました。
景気指数は予想の59.2に対して、結果58.8と予想を下回りました。
雇用指数は前月50.3から53.0に上昇しました。
新規受注指数は前月56.7から59.9に上昇しました。
価格指数は前月49.1から53.4に上昇しました。

まとめ

各指数は節目の50を上回っていることから米経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)がしっかりしていることが確認できました。また、サービス業は底堅く、製造業は持ち直しつつあります。原油高、ドル安が加速すれば6月の利上げ懸念が再燃し、株価の上値を重くすると思います。
1
チャートを眺めると、RSIの上値が切り下がっているのに対して、株価は上昇していました。これはダイバージェンスと言って、上昇相場の最終局面に出やすい売りシグナルです。また、MACDはデッドクロスと、こちらも売りシグナルを出しています。株価は50日移動平均線を試す展開で、6日発表される雇用統計が注目されますが、下にブレイクアウトし、「セルインメイ」という相場の格言通り調整局面を迎えると思います。
SPONSORED LINK