バフェット太郎です。

「ものごとはできるだけシンプルにすべきだ。しかしシンプルすぎてもいけない」。とは、複雑な宇宙の神秘を解き明かそうとしたアインシュタインの言葉です。

バフェット太郎は複雑な株式投資の世界において、投資戦略はできるだけシンプルでなければならないと考えています。なぜなら、シンプルな投資方針でなければ貫き通すことが難しいからです。では、何をもってシンプルであるべきかですが、バフェット太郎は6歳くらいの小さな子どもでも任せられる戦略であるということを目安に考えました。

結果、バフェット太郎の投資手法は、米国の優良企業に均等分散投資し、構成比率下位銘柄を定期的に買い増すということをルールにしたわけです。

ここで言う優良企業とは、事業規模が大きく、市場占有率が高く、消費者に馴染みのあるブランドを保有していて、事業の構造上永続的な競争優位性があり、積極的に株主に還元する企業であることです。

具体的な銘柄で言えば、コカ・コーラ(KO)やジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)などになります。これらの企業はS&P100に採用されるほど事業規模の大きい超大型企業であり、市場占有率も高く、消費者に馴染みのあるブランドをいくつも保有し、事業の構造上、永続的な競争優位もあります。例えば、ファミリーレストランやファストフードチェーン店では、ほとんどの場合コカ・コーラ社と提携しています。これは、コカ・コーラ社がコカ・コーラだけでなく、ミニッツメイドのオレンジジュースや、煌烏龍茶などブランド力のある製品を取り扱っているからだけでなく、商品を全国に運ぶ物流網がしっかりしているためです。つまりネットワーク効果が優れているのでチェーン店を展開する大企業はコカ・コーラ社を選ばざるを得ないのです。

また、KOやJNJなどは50年以上連続で増配を続けるなど、利益を積極的に株主に還元する企業です。ここで必ず議論になるのが、配当よりも自社株買いの方が良いのでは?ということですが、バフェット太郎も配当より自社株買いの方が良いという考え方に概ね賛成の立場です。しかし、将来永続的に自社株買いをする企業を現時点で選ぶことは難しいとも言われています。

なぜなら、自社株買いとは、配当と比べて株主に対する責任が軽いからです。例えば、配当が減配となれば株主は経営陣を強く批判しますが、自社株買いをしなくても、あるいは自社株買いの規模を縮小しても批判の声は配当ほど大きくないのです。そのため、経営陣次第では自社株買いを縮小したり場合によってはしなかったりということは決して珍しくないのです。

一方で連続増配している企業の経営陣のプレッシャーは自社株買いの比にならないくらい大きなものです。そのため、原油価格の急落で業績が悪化しているシェブロン(CVX)も連続増配の記録を止めるわけにはいかず、意地で増配しています。また、エクソン・モービル(XOM)は増配をするものの、自社株買いの規模は縮小することを発表しています。ここからも経営陣が自社株買いよりも配当を重視していることがわかります。

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均等分散投資では、厳選した銘柄を均等に分散すれば良いというものではありません。どうしても投資家は特定のスコープで銘柄をスクリーニングにかけたりするので、業種が似たり寄ったりする場合が少なくありません。結果、厳選した超優良株に分散投資だ!と言う投資家のポートフォリオにはビザ(V)とマスターカード(MA)がポートフォリオの大半を占めてたりするわけです。これは営業利益率の高い銘柄に絞ってスクリーニングをかけているためです。

また、配当重視でポートフォリオを組もうと考えた場合、エネルギー株ばかりになる場合が少なくありません。昨今の原油安局面において、エネルギー株ばかりに投資していた投資家の運用成績はひどいありさまです。

従って、営業利益とかROEとか配当利回りとか言う前に、まずセクター分散を心がけなければならないというわけです。バフェット太郎のような長期投資をする場合は、ディフェンシブ銘柄を中心にポートフォリオをつくります。例えば、バフェット太郎の場合、ディフェンシブ銘柄が全体の70%を占めています。また、生活必需品、ヘルスケア、通信と分散しており、生活必需品においても小売り、飲料、たばこ、日用品など分散しています。

均等分散投資する場合はそうしてセクターを散らすのが基本です。

ここら辺の細かなことがシンプルすぎなかったりするわけですが、運用手法は構成比率下位銘柄を買い増しするだけという至ってシンプルな投資手法です。ルールに従えば「買い」の判断に迷ったりすることはないので、特定の銘柄に惚れ込んでそればっかり買うとかはないわけです。

長期投資家のなかには、特定の銘柄に惚れ込んだばかりに、ポートフォリオがそればかりになるということは決して珍しくありません。均等分散投資はその抑止効果もあるわけです。バフェット太郎がエクソンン・モービル(XOM)を割安だ!と確信してもポートフォリオがXOMばっかりにならなかったのはその抑止効果が効いたからでしょう。

このように、銘柄選びはシンプルすぎないけれど、運用手法はシンプルであるということが長期投資をうまくやるコツです。

グッドラック。
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