バフェット太郎です。

古いタイプの相場師は、リセッション(景気後退)の兆候を銅価格の動きから予測したりします。そのため相場師は銅を「ドクター・コッパー」なんて言ったりします。

なぜ銅価格が景気の先行指標になりやすいかと言うと、住宅や電子機器の配線に用いられるため、経済活動が活発(好況)なときほど銅の需要は高まり価格は高騰し、経済活動が低迷(景気後退)し始めると銅の需要も低迷し在庫過多から銅価格が急落するからです。
 
しかしウォールストリートジャーナルによれば、RBCキャピタル・マーケッツが検証した結果、銅価格はリセッションの初期兆候を知らせる役目を果たしていないと指摘しています。例えば2011年半ば、エコノミストは銅の値動きから米国経済が一年以内にリセッション入りする確率を90%以上と予想していましたが、米国経済は拡大を続けました。
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なぜ、銅価格が景気の先行指標の役目を果たせないかというと銅のほとんどがドル建てで取引されているため、為替の影響を受けることで相場にノイズが入るからです。例えば、銅価格が一定でもドルが高騰すれば需要は低迷し、反対に銅価格が上昇してもそれ以上に為替がドル安に進めば、需要は増加します。そのため、為替変動が激しい昨今、銅は先行指標としての役目を果たせないのです。

では、何を景気の先行指標とするべきかですが、RBCキャピタル・マーケッツのエコノミストは新規失業保険申請件数だとアドバイスしています。

企業は景気悪化による圧力を実感し始めた場合、人員削減を開始する傾向があるので、新規失業保険申請件数は最も生きた経済指標になると主張しています。

新規失業保険申請件数を景気の先行指標とするRBCのモデルによれば、01年3月のリセッションを00年11月時点で80%の確率でリセッションすると予想していました。また、サブプライムローン問題による07年12月のリセッションも07年2月時点で確率を56%としていました。


ちなみに、英国のEU(欧州連合)離脱により世界の株式市場が混乱した先月の予想確率はわずか10%だったそうです。バフェット太郎もNYダウを時折円建てで眺めるのはそうした為替のノイズを消すためです。

グッドラック。

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