バフェット太郎です。

英国のEU(欧州連合)離脱の決定で、最も打撃を受けているセクターは金融セクターです。なぜいま金融セクターは売られているのでしょうか。また、反対に買われているセクターとは一体どういうセクターでしょうか。

そもそも金融セクターとは、金利が上昇すると利ざやが拡大して収益の拡大が期待できる商売をしているので、これまで年内の利上げを期待していた投資家たちが先回り買いをしていたわけです。しかし、英国がEUの離脱を決定すると、世界経済の先行き不透明感からFRBが利上げに慎重になるだろうとの見方が広がり、利上げ観測が後退してしまいました。結果、利上げを期待して先回り買いしていた投資家たちが慌てて金融セクターから投資資金を戻したというわけです。

一方で低金利の恩恵を享受するセクターもあります。それは電気通信セクターと公益事業セクター、そしてエネルギーセクターです。これらのセクターとS&P500指数の半年間のリターンは以下の通りです。
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なぜ、通信、公益、エネルギーの三セクターのリターンがS&P500指数を大幅に上回っているのかと言うと、多額の借り入れが必要なインフラ系企業には低金利が追い風になるからです。実際、米石油メジャー大手のエクソン・モービル(XOM)とシェブロン(CVX)、それに複数のパートナー企業は、カザフスタン西部のテンギス油田の拡張プロジェクトに総額370億ドルを投資すると発表しました。これは2年前の原油価格暴落以来、最大級の投資となります。

また、通信、公益、エネルギーの三セクターに共通するのは高利回りだということです。低金利環境において投資家たちは、より利回りの高いセクターに資産を振り分けるので、安全資産かつ高利回りとしてこれらの三セクターに買いが集まりやすくなっています。

ちなみにS&P500指数の平均配当利回りが2%程度なのに対して、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)は4.04%、AT&T(T)4.51%、デューク・エナジー(DUK)3.84%、エクソン・モービル(XOM)3.21%、シェブロン(CVX)4.09%と高利回りです。

ただし、先週発表された雇用統計は予想を大幅に上回る良い内容だったことから9月の利上げが視野に入ります。つまり、そろそろ金融セクターに売られすぎからの買い戻しが入ると期待できるわけです。
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チャートは金融セレクト・セクターSPDRファンド(XLF)の日足チャートです。トリプルボトムを形成し、50日移動平均線を試す展開になっています。このラインをブレイクアウトするようなら金融セクターは「買い」です。

グッドラック。

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