バフェット太郎です。

18日のNYダウ株式市場は前日比+16.50ドル(+0.09%)高の1万8533.05ドルと五日連続で史上最高値を更新しました。上昇した主な要因は、米銀大手バンク・オブ・アメリカ(BAC)の予想を上回る決算を発表したことに加えて、ソフトバンクの英半導体大手ARMホールディングス(ARM)買収・合併のニュースが好感されました。一方で史上最高値圏であることから、上値が重い展開しなりました。

さて、ソフトバンクはARMに対して市場最高規模となる3.3兆円もの買収を決定しました。ARMは米アップルと英英コーン・コンピューター・グループの合弁事業として1990年に設立された、世界屈指の半導体設計会社です。スマホの中に入っている半導体の95%以上はARM社が設計した半導体によるもので、アイフォーンやギャラクシーにも搭載されています。

ARMの売上高の地域別シェアは、アジア52%、北米38%、ヨーロッパ9%、英国1%であることから、英国のEU(欧州連合)離脱によるポンド安の恩恵はほとんどありませんでした。

【経営成績】
1
売上高、営業利益、純利益の全てが右肩上がりで順調に拡大しています。前期の営業利益率は41.9%と非常に優秀です。また、ほとんどARMが設計した半導体は全てのスマホに搭載されていることから、世界中でお金を稼ぐことができます。
2
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EPS(一株当たりの純利益)は過去9年間で7倍以上に上昇しています。また、2007年より開始された配当も連続増配こそないものの、順調にDPS(一株当たりの配当)を拡大させています。BPS(一株当たりの純資産)も長期で右肩上がりです。
3
本業の儲けを表す営業CFは順調に拡大している一方で、設備投資をほとんど必要としないビジネスであることから、毎期莫大なキャッシュフローが期待できます。

ソフトバンクは今回の買収案件に3兆円以上もの資金を投じるわけですが、これはアリババやガンホー、スーパーセルなどの株式を売却して得た2兆円があるため、必ずしも危険な投資ではありません。また、ARMは米スプリントなどと違い、テコ入れを必要としないビジネスですから既存株主たちも安心して見守ることができます。

そもそもソフトバンクのARM買収の目的はモノとインターネットがつながるIoT時代に向けた先行投資です。例えばIoTが登載されている自動車は、セキュリティがなければ何者かによってハッキングされて運転の自由を奪われるかもしれません。そのため強固なセキュリティシステムが必要になるので、ARM社の技術が必要になるわけです。これは飛行機に対しても同じで、スマホ以外でも広く使われるようになれば、ソフトバンクによる半導体事業は通信事業に次いで第二位の主力事業になる可能性が大きいです。

そうなれば、ハイテクベンチャーにばかり投資する危なっかしいソフトバンクから、インフラビジネスに近い安定した収益が見込める安心のソフトバンクへ投資家の見方は変わるかもしれません。

グッドラック。

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