バフェット太郎です。

バフェット太郎10種の7か月間のトータルリターンは13.75%と、S&P500ETFのトータルリターン7.63%を大幅に上回ったわけですが、バフェット太郎10種のアイディアはジェレミー・シーゲル著『株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす』で紹介されている「ダウ10種」を参考にしました。

「ダウ10種」とは、別名「ダウの犬」とも呼ばれ、ダウ30種構成銘柄のうち最も配当利回りの高い10銘柄のことです。これらの銘柄はどれも業績が悪く、株価が下がり、株主の離散を防ぐため高い配当性向を維持しているような、人気のない「負け犬」であることから「ダウの犬」と呼ばれています。

また、それを応用するかたちでS&P100構成銘柄のうち最も配当利回りの高い10銘柄に投資する「S&P10種」のトータルリターンを同書では紹介しています。

同書では「ダウ30種」、「S&P500」、「ダウ10種」、「S&P10種」、「ダウ・コア10種」、「S&Pコア10種」の6パターンのトータルリターンの比較が掲載されています。それぞれのトータルリターンを上位順に並べると以下のようになります。

【各種、1957年~2003年までのトータルリターン比較】
「S&P10種」:15.69%
「S&Pコア10種」:15.68%
「ダウ・コア10種」14.90%
「ダウ10種」14.43%
「ダウ30種」12.00%
「S&P500」11.18%

ジェレミーシーゲル氏の調査の結果、「S&P10種」と「S&Pコア10種」が最も高いリターンを挙げたことがわかりました。ちなみに「コア10種」とは、「高配当利回り」という条件に「安定的に増配している」という条件を加えて選び抜いた10銘柄のことです。
SPONSORED LINK


増配期間は15年としています。15年の根拠は、少なくとも一度は景気後退期を経験するはずだからです。そうすることで特定の景気局面のときだけ増配してきた見せかけの増配企業を除外することができます。

結果、S&Pコア10種にはAT&T(T)(旧SBCコミュニケーションズ(SBC))やアルトリア・グループ(MO)、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、JPモルガン・チェース(JPM)、シェブロン(CVX)、ダウ・ケミカル(DOW)などが採用されました。

市場平均以外のパターンで最もリターンが低かったのは「ダウ10種」(ダウの犬)でした。ダウ10種の弱点は、年に一度の入れ替えによる売買コストの大きさです。株価が値上がりして利回りが低くなった銘柄は、利益確定売りをしなければならないので、キャピタルゲイン実現コストが発生します。また、銘柄入れ替えのための売買コストもかかります。

一方で「ダウ・コア10種」は「ダウ10種」に比べて、入れ替え銘柄が少なかったため、取引コストやキャピタルゲイン実現コストとしての税金がかからないことなどから、リターンが大きかったです。

つまり、投資家が配当再投資戦略をとる場合、必ず入れ替えをする必要のなさそうな優良株でなければなりません。また、高配当株であり連続増配株でなければならないので、必然的に投資するべき銘柄が絞られます。

バフェット太郎は、さらに「S&Pコア10種」をさらに応用して、長期投資で最もリターンの大きいセクターを中心に投資しています。同書を読んでヘルスケアセクターと生活必需品セクターのトータルリターンが高いということがわかっていたので、生活必需品株中心のポートフォリオをつくりました。

このように「ダウ10種」を参考に、正しく堅実なポートフォリオをつくることができるのなら、個人投資家が市場平均に勝つことも不可能ではありません。

グッドラック。
SPONSORED LINK